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横目にみれば – ギャラリートラック鑑賞・記録をめぐる展覧会

2021年5月14日(金)-6月20日(日)

軽トラの荷台をギャラリーにした展示とは?

トラックの荷台をギャラリーとした「ギャラリートラック」は現在関西を拠点に活動する美術家・黒田大スケによるプロジェクトであり、新型コロナウイルスの影響により美術館等の展覧会が延期・中止したことをきっかけに展覧会のシステムや鑑賞とは何かを改めて問いかけています。これまで2020年12月~2月にかけては京都市内で8名のアーティスト(飯川雄大、石黒健一、加藤翼、黒田大スケ、倉知朋之介、西松秀祐、張小船 / Boat ZHANG、三原聡一郎)が参加。4月には後藤靖香と迎英里子、そして黒田が参加し、広島市内を中心に作品を走行・展示してきました。

「ギャラリートラック」の鑑賞方法は、走行するトラックの偶然の目撃、ライブ配信の視聴、そしてウェブサイトにアーカイブされた映像やテキストの閲覧が用意されています。このたび「横目にみれば」展では、ウェブサイトに掲載されていない展示作品の一部、ドローイング等を公開し別の視点からの鑑賞を試みます。また、「ギャラリートラック」をどのように記録していくか、そしてアーカイブを「みる」という鑑賞体験についてギャラリーという場所から考えていきます。

ギャラリートラックについて

「走行中のトラックの荷台がギャラリーて、変なことするんやなあ」とお思いの方もおられるかと思います。たしかに現代においては、美術館のように建物の中に展示された作品を観るのが一般的な鑑賞方法であり野外展示の場合でも少なくとも作品は特定の場所にとどまっているものです。しかし、今こそ思い出してください!トラックはそもそもギャラリーであり、芸術は移動するものなのです!!!!!ギャラリートラックとは最もラディカルで野蛮な展覧会の形式であり、コロナの影響で美術館が機能不全にある現在において、展覧会とは何か?作品を鑑賞することは何か?と観ることそのものを問う実験的なプロジェクトです。また本ギャラリーは日本に限らず様々な国のアーティストの参加を呼びかけて展覧会を開催していきます。そしてギャラリートラックで開催された展覧会はウェブサイトにアーカイブしていきます!(黒田大スケ)
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ギャラリートラックの鑑賞方法
・トラックの偶然の目撃
・ライブ配信やアーカイブ映像の視聴

関連イベント

アフタートーク Vol.1
ゲスト:斎藤ふみ、津嘉山裕美
進行:黒田大スケ
日時:2021年6月20日(日)20:00〜21:00頃まで
視聴URL:https://youtu.be/Wj7xcILvk9Q

アフタートーク Vol.2
ゲスト:後藤靖香、迎英里子
進行:黒田大スケ、今井みはる(当館学芸員)
日時:2021年6月20日(日)22:00〜23:00頃まで
視聴URL:https://youtu.be/hJZHopE00gU
いずれも申込不要、視聴無料。

詳細はこちら

参加アーティスト

飯川雄大、石黒健一、加藤翼、黒田大スケ、倉知朋之介、後藤靖香、西松秀祐、張小船 / Boat ZHANG、三原聡一郎、迎英里子

飯川雄大の展示風景(京都、2021、撮影:前谷開)
三原聡一郎の展示風景(京都、2021、撮影:前谷開)
張小船 / Boat ZHANGの展示風景(京都、2020)
後藤靖香の展示風景(広島、2021、撮影:橋本健佑)
石黒健一の展示風景(京都、2021、撮影:前谷開)
加藤翼の展示風景(京都、2020)
倉知朋之介の展示風景(京都、2021、撮影:前谷開)
黒田大スケの展示風景(広島、2021、撮影:橋本健佑)
迎英里子の展示風景(広島、2021、撮影:橋本健佑)
西松秀祐の展示風景(京都、2020)

飯川雄大 / Takehiro IIKAWA

1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。 人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像やインスタレーションを制作。

石黒健一 / Kenichi ISHIGURO

1986年神奈川県生まれ。京都府、滋賀県を拠点に活動 山中suplex創設メンバー。主に鉱物を扱い、物を起点とした歴史を参照し彫刻の可能性を追求している。ものに付随する「価値」の不確定さを主題としながら、それらを異なる文化や歴史に接続することにより、様々な関係性を導き出す試みを行う。

加藤翼 / Tsubasa KATO

1984年埼玉県生まれ、東京都在住。集団がロープで巨大な構築物を動かすプロジェクト「Pull and Raise」で知られ、その時その場での集団の体験と、遠く離れた美術館での個人の視点とのズレに着目しながら、私たちの主観と主観の分断線、観測的限界をテーマにしたインスタレーション作品を発表する。

黒田大スケ / Daisuke KURODA

ギャラリートラック企画者。1982年京都府生まれ。2013年広島市立大学大学院芸術学研究科総合造形芸術専攻(彫刻領域)修了。同年橋本平八「石に就て」の研究で博士号取得。歴史、環境、身体に関する様々なリサーチを通じ、認識されているが目に見えない幽霊のような存在を可視化する作品を手がける。

倉知朋之介 / Tomonosuke KURACHI

1997年愛知県生まれ。2020年京都造形芸術大学情報デザイン学科情報デザインコース卒業。慣習化された何気ない行動やありふれた事象、日常的に用いる言葉に感じる「可笑しさ」を、映像や造形物を用いて独自に追及する。

後藤靖香 / Yasuka GOTO

1982年広島県生まれ。2004年京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業。戦争に組み込まれていった無名の若者たちの葛藤や内面の苦しみ、公の歴史では記されて来なかった戦闘行為以外の無数のエピソードを丹念に調査し、劇画調の画面で表す現在のスタイルを築く。

西松秀祐 / Shusuke NISHIMATSU

1988年岐阜県生まれ。現在大分県在住。ブランシュバイグ芸術大学にてキャンディス・ブレイツに師事(同大学修士卒業)。個人的な体験を基に、映像、ストーリーテリング、インスタレーション、写真など多様なかたちを用い、日常の些細な物語とそれに纏わる社会の大きな物語を作品を通じて追求する。

張小船 / Boat ZHANG

1983年中国生まれ、ロンドン大学ゴールドスミス校卒業、2020年より上海から東京に移住。自身が経験や情緒する状況に対する即興の反応を表現の可能性としてとらえ、日々の慣習や慣れ親しんだ物事にほんの少し手を加えるゲーム的な発想のもとで、ユニークなパフォーマンスや映像作品を手がけている。

三原聡一郎 / Soichiro MIHARA

1980年東京生まれ、京都を拠点に活動中。世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土そして電子など、物質や現象の「芸術」への読みかえを試みている。

迎英里子 / Eriko MUKAI

1990年兵庫県生まれ。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。屠畜や原子核分裂、国債の仕組みなど世の中にある様々な現象をモチーフとし、その仕組を可視化した装置を使ったパフォーマンス作品を制作する。

基本情報

会期

2021年5月14日(金)-6月20日(日)

開館時間

10:00-17:00(最終入館は16:30)

休館日

火・水曜日

観覧料

一般500円、学生300円(小冊子付)
高校生以下または18歳未満・各種障害者手帳をお持ちの方は無料

主催

アートギャラリーミヤウチ
(公益財団法人みやうち芸術文化振興財団)